君を探して
私だっていろいろ考えた。

慎ともうやり直せないのかな? って。


でも、一度開いた傷口はなかなかふさがりそうにない。

慎に、陽人やヤマタロとの関係を理解してもらえる自信がなくて。
だからといって、2人と距離を置くなんて考えられなくて。


それに、私が慎を『すごく物分りがよくて、やさしくて、理解のある彼氏』と思うことで慎が疲れてしまったというのなら、私にはどうしようもない。

だって、私は慎のそんなところが好きだったから……。


もう、これから慎とどう接していけばいいか分からないよ……。


そんな話をずっと黙って聞いてくれたチョコは、

「それが深月の本音なら、ちゃんと慎くんに伝えるんだよ」

って言ってくれた。


険しい顔をしていたから、きっと他にもいっぱい言いたいことがあったんだろうけど、私の気持ちを尊重してくれたチョコ。

「……ありがとう」

ホントに、ホントに、ありがとう。

私はそんな気持ちを込めて、チョコに軽く頭を下げた。

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