私の最低な元カレ
わかりました。
最近、麻衣の様子がおかしかったのが。
絶対変な事たくらんでる。
そしてその変なたくらみへのスイッチを入れてしまったのは…
きっと私だ。
オレンジジュースの件で、何か要らないことを言ったに違いない…。
「麻衣~…。私、その勉強会行かない」
「どうして!」
「…オレンジジュースのせいで私なにか言ったかもしれないけど、気にしないで」
「……」
なんとなく、自分が言った事がわかる。
完璧に覚えてないけど、私はオレンジジュースを飲むと素直になってしまうから…。
きっと。
『天野くんがまだ好き』とか言ったに違いない。
…そんなの、私の本心なんかじゃない…。
「夢、いつまで逃げてんの」
「…え?」
「私は逃げる夢なんて大嫌い。いつも全力で、何事にも頑張る夢が好きなんだよ?」
まっすぐ私の目をみて、
強いまなざしで、
真剣にそう言った麻衣。
「…麻衣…?」
逃げるなんて…私…。