君があたしを好きな理由 [短編]
***
「…葉月?」
何だろう…
「ちょっと、葉月?」
あの日から、ぼーっとして。
「葉月っ!」
「はいっ!?」
あたしは思わず、ガタン!と椅子から立ち上がった。
「もう…さっきからずっと呼んでるのに。
担任がこの前の資料のことで確認したいことがあるって、呼んでたよ?」
「あ…うん。
ありがと…」
あたしは席を立ち、
そのまま教室を出て職員室に向かった。
はあ…
あたし最近、ずっとぼーっとしてる。
…気付けば、瞬のことばっかり考えてる。
「だめだあ…」
あたしばっかり、瞬のことを好きになっていってる気がする。
あたしばっかり、瞬の優しさに夢中になっていってる気がする。