君があたしを好きな理由 [短編]


重い腰を上げて、あたしはゆっくりと立ち上がった。

どれくらい、このままの状態でいたんだろう?
窓からは、オレンジの光が差し込んでいた。



瞬…まだいるかな。
また、教室で待っててくれてる?


“教室で待ってるから”


そう言ってくれた、瞬の笑顔が頭に浮かぶ。


あたしはポケットから携帯を取り出して、通話ボタンを押した。




『…もしもし?』




耳に届いたのは、優しい―――瞬の声。




『葉月、今どこにいんの?』


「…瞬…」




気がついたら、勝手に涙が溢れてきた。




『どうした?大丈夫か?』




…瞬の気持ちが分からない今。
あの子達の言葉ばっかりが、頭に残って…


こうして優しくされることさえ、辛く感じる。


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