君があたしを好きな理由 [短編]
「瞬…もおいいよ」
『え?』
だから瞬は、もうあたしのために無理しなくていいよ。
無理…して欲しくない。
「…いいよ、もう。
瞬もあたしみたいな面倒な女、嫌でしょ?
幼なじみに戻ろ…」
あたしがそうつぶやくと、
数秒の沈黙の後、プツリと電話は切れた。
…嫌われた、かな。
もう幼なじみにも…戻れないのかな。
でも…仕方ないんだよね?
あたしは教室のある方に向かって、ゆっくりと歩き始めた。
「…葉月っ!」
聞こえた、瞬の声は…確かにあたしの名前を呼んだ。
「瞬…」
…何で来たの?
「帰って」って言ったのに…
あたしはぱっと振り返って、走り出した。
「おいっ、葉月!?」