叶わない恋
無意識のうちに、あの人のことを思い出していた。

あの日、姿を消した私を許してはくれないだろう。

もう一年たったんだ…


「また、来るね」

最後に手をそえて、その場を後にした。



「南?」


聞き慣れた声がした。


「………恭介」


最後に見た表情よりも、少しだけ大人びた気がした。

あの、一年前の日より…
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