心の声を聞いて
「…鈴ちゃん」
鈴ちゃんは心配そうにあたしの顔を覗く。
「どうした?…悩みなら、聞くよっ!」
「…鈴ちゃん。有り難う…。…あのさ、和音ってさ…」
「え?今井?」
「うん…。和音って…。格好いい?…モテる?」
「え…」
あたしの、突然の質問に少し驚く鈴ちゃん。
ゆっくりと口を開く。
「…野上?ん~あたしは、彼氏いるし、男として見てないけど…結構もててるんじゃない?」
「…だよね」
ため息をつく。
「…ユイって、今井の事好きなの?」
ドキンッ
鈴ちゃんの台詞に
息をつまらせる。
「……あ…あたし…は」
声が震える。
…ごめんね。鈴ちゃん。
あたし、言えない…。
和音の事好きだけど…。
「違う…よ!そんなんじゃなくて!幼なじみとしては、和音のどこがいいか、解らないだけ!」
「…顔?…と、性格?…ノリの良い所?面白い所?…あら。完璧じゃん」
鈴ちゃんは、驚いたよう笑う。そう…。鈴ちゃんにはそう見えてるんだね。
…ごめんね。鈴ちゃん。
真剣に聞いてくれてたのに。
「でも今井、同級生にはモテないわよ」
「…え?なんで?」
「だって…あいつ、馬鹿だし…」
「…ば…っ…アハハッ確かに!!そういえば、和音同級生と付き合った事ないっ!!」