心の声を聞いて

「うん……。あ、和兄だ」

「…え?」

「おーいっ和兄~!」

「え、何で呼ぶの!?」

圭ちゃんの声を聞いて振り向く和音。一瞬、驚いていたけど、すぐにこちらに向かって来た。
「え…お前、圭?」

「久しぶり。和兄」

和音は圭ちゃんを見て、懐かしいそうにしている。元気か?と和音の声。

「うん。和兄こそ元気そう」

「当たり前だろ!俺、ずっと無欠席だぜ?」

「そんな感じ。今まで、ユイ姉と話してたんだよ。…和兄彼じ」

「わーわー!!!」

『彼女』と言おうとしたのに気づいて、直ぐさま口を抑える。
『何…』

『お願いだから!!彼女の話しはやめてっ』

コソコソと話しをしてるのを見て、怪しがるように話しを割ってきた。

「何コソコソしてんだよ?」

『…お願いっ』

「…分かったよ。ユイ姉。お茶飲みたくてトイレ行きたいんだって」

「ちっがーうっっ!!!!」


何言ってんのよ!!!!

キッと圭ちゃんを睨むとにこっと笑顔を返した。
……この悪魔めっっ。

当然の様に、和音は、笑っている。

「早くトイレ行った方がいんじゃね?」

「……っ。トイレじゃないもん…。あたし帰るっバイバイっ」

もぅっ…恥ずかしい!!
圭ちゃんの馬鹿!!
覚えときなさいよっ。

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