天神学園高等部の奇怪な面々Ⅶ
全ての競技がこの調子だった。

運動部系に所属する生徒は全て白組が人材を引き抜いており、赤組には碌な戦力がいない。

クラブ対抗リレーなんて、陸上部サッカー部野球部連合v.s.科学部図書部囲碁将棋愛好会ってナンダコレ。

最早プログラムを見ただけで勝敗は明らかだった。

「イライラ…」

歯噛みし、拳を握り締め、貧乏揺すりして。

龍太郎は苛立ちをあからさまに露わにする。

「イライライライライライライライライライライライライ」

「落ち着け」

そこに現れたアモルが、龍太郎の後頭部をゲシッ!と一蹴り。

「って!何しやがる!」

と振り向いた龍太郎の目に飛び込んできたのは、黒を基調としたフリフリの衣装を身に纏い、相変わらず右手にフリルだらけの日傘、左手にエリザベスを抱えたアモル。

「……何だその格好」

「見りゃわかんだろうが、体操服だボンクラ!今時貴重なブルマ姿だぜえ?アモルの艶姿有り難く拝めスペシャルバカ」

エリザベスが言うが、アモルの衣装にはブルマなど影も形も痕跡もなかった。

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