天神学園高等部の奇怪な面々Ⅶ
途端に。

「なぁっ!?」

先行していた選手達が驚愕の声を上げる。

藤原翁はあっという間に距離を詰め、選手達に並び、瞬く間に追い抜いた!

一流の剣客というのは、踏み込みも一流である。

瞬時にして間合いを詰め、相手の懐を侵略し、一手で斬り伏せる。

当然脚力も常人とは一線を画する。

ましてや藤原翁は既に故人、その肉体は滅んでいるものの、英霊化して再びこの世に実体化している。

英霊化とはただの幽霊の類とは違い、格が上がっている。

言うなれば『神格化』した霊体。

並の人間程度では敵う筈もなく。

「そんな脚力では、幕末の動乱では即座に刀の錆じゃの」

藤原翁はコース上で振り返って選手達を見るほどの余裕を見せた。

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