天神学園高等部の奇怪な面々Ⅶ
最後の障害は平均台。

もうここまで来ると、藤原翁にとっては子供騙しのようなものだ。

よろめきもふらつきもせず、ヒョヒョイと平均台を渡る。

ようやく追いついてきた後続の選手達も続くが。

「お主らは散々卑怯な手段を使ってきたからのぅ…」

蜘蛛切を鞘のまま振り上げる藤原翁。

「これくらい、悪く思うな!」

平均台を渡り切り、コースに降り立つと同時に、蜘蛛切を地面に振り下ろす!

その強烈な一撃は小規模ながら震動を発生させ、まだ平均台を渡る途中であった選手達を次々と落下させる!

「うむ、役に立ったわい」

コースを走りながら、蜘蛛切を冬月に投げ返す藤原翁。

「かたじけないのぅ。どうじゃ、礼にウチの月姫と『でぇと』でもするか?」

「僕、性別不詳ですきに」

クスクスと笑う冬月。

「じゃったら宜虎の嫁に…」

「いや、せやから性別不詳ですきに…」

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