天神学園高等部の奇怪な面々Ⅶ
この分だとアモルの出番の頃には、相当数の白組の選手がリタイアしているに違いない。

冷笑浮かべつつ歩いていたアモルは。

『体育祭参加の生徒諸君、並びにご観覧の皆様に申し上げる』

校庭に響き渡るアナウンスに気づいた。

『この後予定されている競技、二人三脚についてだが、どうやら何者かの陰謀により、多くの白組生徒が競技出場できないほどの精神的ダメージを負わされている』

唇を噛み締め、俯き加減に言うのは体育祭実行委員長。

『だが!』

芝居がかった動きで、彼は拳を天に突き上げる!

『天神学園の体育祭の運営を任された者として、自分はこのような圧力や不正には断固として立ち向かう!決して屈しはしない!』

「あらあら…」

ほくそ笑むアモル。

「よくぬかしやがるぜ、とんだ狐か狸だな、あの実行委員長」

エリザベスもケッと吐き捨てるように言う。

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