天神学園高等部の奇怪な面々Ⅶ
アモルが動揺するのも無理はない。

彼女はエリザベスとコンビを組んで、この二人三脚に出場しようと考えていたのだ。

ぬいぐるみであり、別の人格を持つとはいえ、基本的には腹話術人形でありアモルと抜群の意思の疎通を見せるエリザベス。

彼以上のパートナーはアモルには存在せず、また出場登録の際には問題なく許可が出ていた。

それが今更になって特別ルールの設定とは…。

つまりアモルは、エリザベス以外の、しかも普通の人間のパートナーを今から探さなければならなくなる。

「何て汚くて見苦しい野郎だ、あの実行委員長」

エリザベスが、ぐぬぬ、と歯噛みする。

「形振り構わなくなってきたわね…どんな手段を講じてでも白組を優勝させたいらしいわ」

凶悪な表情を浮かべ、アモルがチッと舌打ちした。

< 88 / 208 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop