【短編】ぼくらはみんな生きている


ボクはいつものように水を目につけた。


無意味だってことくらい分かってる。


でも、こうせずにはいられなかった。





お父さんが死んだ後も、ボクは料理を作った。


もしかしたら、起きてくるかもしれない。


『おはよう』と言ってくれるかもしれない。


ボクは、何度もスープを温め直した。


お父さんは、まだ動かない。


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