時を越えた日記
「えっ?お前の会社で?」

「あぁ、まぁうちの営業なんて

お前には、辛い話かもしれないけどな。」

「いや、それはありがたいけど。でも、

小説書くには今の方が・・・。

また新しいの書こうと思ってさ、

今度こそ。」

「佐藤・・。もういいだろう。

もう35だぞ。そろそろ次の

人生考えたほうがいいって。

面接の日が決まったら、

すぐ連絡するから。」

心配そうな顔で言う。

9月9日 曇り

新しい仕事が決まりそうです。

たとえ小説を書けなくなっても、

くさらずに、頑張りたいと思います。

いつも励ましてくれる、由利恵ちゃんの

ためにも。

だから由利恵ちゃんも、早く

病気を治して元気になってください。

9月10日 晴れ

お仕事決まって良かったですね。

私の方は・・あまり良い知らせは

ありません。

佐藤さんは、骨の痛みって

感じたことありますか?

始めてこの検査を受けたとき、

痛くて涙が止まりませんでした。

でも・・今はもう涙なんて出ません。

それでも時々、悔しくて泣きたい時

があります。

私だって学校に行きたい。

普通に友達と遊んだり、

恋をしたり。

そういう当たり前の事をしてみたい。

そう思うと・・悔しくてたまらないんです。

すいません。今日はちょっと

弱気です。
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