三度目のキスをしたらサヨナラ
最初に私の気配に気づいたのは、ソウだった。

こちらを振り返り私と目を合わせると、ソウはどこかぎこちない笑みを浮かべた。

次に、ウーさんが厨房から顔を覗かせる。

「いらっしゃ……」

私を見た途端、ウーさんは言葉を失った。

いつもなら私の名前を呼んで笑って迎えてくれるウーさんなのに、何故か笑顔がない。

そしてそのかわりに、こわばった、ばつの悪そうな表情……。


その表情で、私はすべてを察した。


急いで視線を右から2番目の席へ移すと、そこには空っぽになったラーメン鉢が置かれていた。

恐る恐る近づいてその器を覗くと、中には『酸っぱいキムチ』の小鉢があり、更にその上には空になったグラスが積み重ねられていた。

そしてグラスには、割り箸が刺さっている。


──それは、見覚えのある、今となっては懐かしい光景だった。


「……嘘でしょ?」

膝がガクガク震えた。

「ごめん、すぐ片付けるから」

ウーさんが慌ててラーメン鉢を下げようとするのを、私は「待って!」と手で制した。

震える手でその器に触れると、底の部分はまだほんのりと温かい。


「……来てたの?」

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