三度目のキスをしたらサヨナラ
時は3月。
週末の昼下がり。

都内へ向けて郊外をひた走る中距離バスは、乗車客もまばらだ。

このあたりで一番大きな総合病院前の停留所で数名の見舞い客らしき人々が下車すると、バスはほぼ貸切状態になった。

私以外には、狭い2人掛けの前向き座席に寄り添って座り、心地よさそうに居眠りをする若いカップルだけ。

私も一度は眠ろうと目を閉じてみたが、旧式のバスはその振動もエンジン音も大きくて、疲れているはずなのになかなか寝付けないでいた。

バスが赤信号で停止すると、私は大きなキャリーバッグを引き、いちばん後ろの席に移動した。

完全に閉じられていた厚手の遮光カーテンを半分ほど開けると、暖かな日の光がわっとバスのなかに降り注がれる。

私はそれが眩しくて、思わず目を細めた。
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