三度目のキスをしたらサヨナラ
『ねぇ、ミナさん』

私は、ソウの言葉を思い出していた。

『こんなふうに天気がよくて風が気持ちよく吹いている日に、“海が近い”っていうことを真っ先に知らせてくれるものって、なーんだ?』

『もちろん海が見える前だよ? え? 波の音? うーん、残念!』

『寒いけど少しだけ窓を開けるよ? ほら、気付かない? 風に運ばれて、潮のにおいがするだろう? これに気がつけば、誰よりも早く海を感じられるんだ!』

『こういうのって、なんだか得した気分にならない?』

『ね、ミナさん』


静かに目を開けると、窓ガラスに、嬉しそうに語るソウの人懐っこい笑顔が浮かんだ。

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