三度目のキスをしたらサヨナラ
緊張感から解放されたのか、彼はすっかりリラックスした表情になって私の隣の席に座った。

「あ……、でも俺あまりお金ないから、近くの居酒屋でもいい?」

ふと、厨房の奥で怖い顔をして首をブルンブルンと大きく横に振るウーさんの姿が目に入った。

……分かってるよ、ウーさん。お酒は飲んじゃダメなんでしょ。

ここは、少なくともウーさんの前では、断らなければ。

「やっぱり、居酒屋なんて嫌い?」

彼は、すぐに返事を返さない私を心配そうな顔で見つめた。

「ううん。ただ、お酒は好きじゃないんだ」

彼は、私のことを年上だと思っている。

だけど、本当のことを言えばすむのに、なぜか私は自分が未成年だと言うことを口に出せなかった。

「それと、当然割り勘だし、ファミレスでいいから」

「へぇ、そういうところでも平気なんだ」

「だって、このお店に通うくらいだよ?」

冗談ぽく言ったつもりだったのに、また、厨房から大きな咳払いが聞こえた。

……もちろん、ウーさんは笑っている。
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