ギフト


「だけどもうすぐ盆だ。幽霊の1人や2人見かけてもおかしくはねーぞ」


そう言うと鬼神はやけに懐かしそうな顔をした。


この人のこんな表情を見れるなんてかなりレアだろう。


もしかしたら俺くらいかもしれないな…。


それにしてもこの人なら本当にどっかで幽霊と遭遇してもおかしくなさそうだ。

「よし。今日はもう暗くなるから帰っていいぞ。明日は遅刻するなよ!」


「努力します…」


なぜかまたにやにやしながらようやく帰る許可が出た。


「明日も遅刻したらゲンコツを喰らわせてやるからな」


「頭が陥没してしまいます」


「頭蓋骨にヒビが入るくらいだから大丈夫だ」


一大事じゃないか…。


あんなバカでかい拳で殴られたらたまったもんじゃない。


「さよならー鬼原先生ー」

「誰だそれは!俺は鈴原だ!」


似合わない名前を名乗る鬼神を残し、俺は学校を後にした。

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