牙龍 私を助けた不良 上
「・・・勇人」
「何?」
「お前、凜華のことどう思う?」
そう聞くと、勇人は驚いた顔をした。女のことを聞いたのは初めてだからだと思う。
勇人は考えるような顔をしてから、分かんねぇと言った。
「アイツは、他の女とは違って不思議な奴だし・・・。嫌いじゃないけど、好きとかではない」
やっぱり。勇人は凜華が嫌いじゃないらしい。女嫌いなコイツにしては珍しいことだ。
難しい顔をする勇人を見ながら、息を吐いて立ち上がり校内に繋がるドアのドアノブに触れた。
「どっか行くのか、龍騎」
「保健室」