牙龍 私を助けた不良 上
そのまま見てると凜華が俺を見た。ビックリした顔をしている。当然だけど。
近寄ってみればミライが飛び付いてくる。凜華は上半身を起こしてミライと俺を見比べた。
どうやらミライは凜華のペットらしい。腕に乗っているミライは頭を撫でてやると喉をならした。
更にベッドに近付いて、端に座る。ミライが凜華の膝に降りる。
「木藤、どうしてここに?」
「お前はここにいると思ったから」
そう言って見つめれば、凜華は俯いた。そっと頬に手を添えれば、凜華がピクッと反応する。
顔上げろ、と言ったが首を横に振り更に俯く。どうしたんだ?
「凜華」
そう名前を呼べば、凜華はそろりと顔を上げた。その頬は少しだけ赤くなっている。