嘘カノ生活
「…あたし頼りないのかなって、思うんです。小学校からの友達なのに、何も見抜けなかったし」


間宮さんは抱きしめるその手を緩めようとはしなかったから、あたしは間宮さんの胸に頬を当てて、ぼそりと呟いた。


 
「酒井さん、お前のことすげー大事に思ってるよ」

「それは、わかってますけど…」

「朝未が思ってるよりすっとだ」


 
え…、とハテナを浮かべて、間宮さんの顔を見ようと上を向く。

するとすかさず間宮さんの顔が降って来て、軽く唇が合わさった。 
 
 

「いただき」

「今、あたし真剣に話してたのに…」


あたしが怒るそぶりを見せると、いたずら顔を残しつつ間宮さんは謝った。



「ごめんごめん、つい。んでさ、この前なんか俺、酒井さんに朝未を大事にするように説教食らったし」

「え…?」

「だから用はさ、お前が大好きなんだよ。心配かけたくないって、そう思ったからだろ」

「…そう、ですか?」

「うん、絶対」

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