堕天使の詩 (未完)
聞き逃す事の無い静かな空間でいくら小さく言っても俺は気付かれない程度で体をピクッと動いていた。


だが、驚いた顔が2つ俺を見てるのに固まった。
泉は続ける。
「お前らだって知ってるよな?西の鷺三皇ってさ、一人では弱いってものが無い。それぞれでも頭張れるのに三人ツルんで兄弟って…。そんでも、まだ目覚めて無いモンスターが居るって噂」


チカとトシは互いの顔を見合わせている。

「ハヤセは知ってるだろ?東の狂宗(キョウソウ)って」

軽く頷き記憶を手繰る。
うっすら記憶にある"狂宗"。
その話を聞いた兄貴達は楽しそうに笑いながら俺に「ハヤにも友達できるかもな」って笑ってた数年前を思い出す。


"コイツらだったのか"

俺が二人の方を見ると既に見ていた二人に視線が絡む。


「俺達、そんな事にも気付かないで出会ってたのか。」
トシは俺から視線を外し懐かしそうな目で、部屋で一際輝くシャンデリアを眺めていた。
「そんで、今まで一緒に居た、何で気付かなかったんだろ…ハハハ」
チカも同じ様に輝く光に瞳を細めていた。


小さな声で俺は呟いた。
『運命だったのかな…俺達が出会って今まで一緒に居たのも…全部…』
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