想い出の写真
夏の暑い日
「ミーンミーン」

蝉の鳴く声が暑い日をより一層に暑くする。

「あーだるい。蝉の声はムカツクし、あいつらはなにしたいんだろーな」

俺は別に本気で蝉にムカツイているのではなかったがあまりにも暑いので蝉に八つ当たりをした

「えっ?なにが?」

渉はいつも間をあけて返事をしてくる

「蝉だよ!セーミ!あんなに鳴いてなにか伝えたいのかね?バカっぽいよ」

バカっぽいのは俺と渉もそうだろうと思った。なんせ平日の昼間から公園でビールを飲んでいるのだから

「でも立派じゃねぇ?伝えたいことをあんなに必死に伝えようとして」

渉は蝉を応援するかのように言ってビールを一気に飲み干した

「純。それよりビール無くなったよ。まだ飲むだろ?俺、買ってくるわ」

渉はダラダラと歩きながら暑い日差しの中に消えて行った。

「伝えたいことかぁ〜」

俺は木陰の中で蝉の伝えたいことことを考えた。分かるはずがなかった。俺があの時あの子に伝えたかったことそのことすら分からないのに・・・。今の俺を見たらあの子は何ていうだろーな?

俺は高校を卒業してすぐに働きだした。別にやりたいことも無く地元の町工場で働くことにした。給料を貰ってはギャンブルや飲むことに使っていた。今日も朝からパチンコに行って負けた。ムカツイて渉を呼び出し昼間から飲むことにしたのだ。今のこんな俺を見たらあの子は・・・。
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