想い出の写真
「はぁ〜・・・何してるんだろう俺は」

重いため息がでる

「えっ?なにが?」

気がつくと目の前に汗だくの渉が立っていた。

「なんでもねぇーよ、それより買ってきたのか?」

渉は買い物袋からビールを取り出した

「ほれ、温くなったらまずいから一本ずつだけどな」

俺はビールを受け取り一口飲んだ

「で?さっきは何考えてたんだ?」

渉が興味なさそうに聞いてきた。

「別に何も考えてねーよ」

あの子のことを考えていたのはバレたくなかった

「当ててやろーか?多分あの子のことだろ?名前は確か・・・恵美ちゃんだっけ?」

恵美・・・その名前を聞いただけで胸が熱く感じた。胸の熱さをおさめるためにビールを一気に飲み干す

「そんなことねーよ。何も考えてねぇーよ。少し酔っ払ったな、帰るか?」

俺は酔っ払ってもないのにそういった。こういう時の渉のカンは鋭かった

「ウソだ。お前はあの子のこと考えてる時の感じはちがうんだよ」

どんな感じはわからないが渉にはわかるらしい


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