【モテ期到来】
「私服だとチャラ男により一層箔が付くな…」
大本に開口一番そう言われる。
「…へん?」
「いや?お前のファッションセンスはイケテるよ。」
ホッとして短い茶髪を掻いた。
「正直さ…今日、太一来ねぇかと思ってた。」
「なんで?」
「お前、女苦手だろ?」
「まぁな…でも彼女とかは欲しいんだよ。俺も一応健全な男子だし…」
「あれだろ?お前が女苦手になったのって中学の時の“ストーカー”。」
仲間に『チャラい』と言われてても、大本だけは俺を理解してくれてた。
「…あの呪縛から解き放たれたい…」
そう呟くと大本はぶっと吹き出して笑った。
「あれはホント災難としか言い様がなかったもんな~!」
「他人事だと思って…かなりトラウマになってんだよ…」
『ドンマイ』と肩を叩かれ思わず溜め息が出た。