【モテ期到来】




それから少し遅めのランチをとる。




「何が食べたい?」




「なんでも!」




「じゃあパスタとかは?」




そこのイタリアンレストランは俺のお気に入りで、アラビアータがメチャクチャ旨い!!




それを話すと彼女は「へぇ!」と言いながらメニューを見て注文した。




…シーフードドリアを…。




何故!?




「…パスタ嫌いだった?」




「そんな事ないよ!ただ、トマトが苦手なの…」




…じゃあ、最初から言ってくれればいいのに…。




紗夜香ちゃんはドリアに息を吹き掛け、冷ましながら小さな口で頬張る。




「ん!美味しい!」




食べてる姿が一生懸命な感じで癒される。




俺の緊張もだいぶ解けて、他愛ない話をする。




学校での事とか、部活の事とか。




「太一君、野球部だったんでしょ?」




「うん、もう引退しちゃったけどね。」




「なんか“男のスポーツ”って感じよね~!」




「そう?野球好きな女の子も居るんじゃない?」



そう言うと紗夜香ちゃんは怪訝そうな顔をした。



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