【短編】月と星
『月へ



この手紙を月が読んでるってことは俺はもうこの世にいないんだな。


呆気ないもんだよな。


俺さ、全部知ってたんだ。

自分が癌なのも先がないことも。


でも諦めたくなかったんだ。


絶対治して月と結婚したかったから。


覚えてるか?何回も約束しただろ?


だからあの最後に月と別れる時に、必ず迎えに行くって言ったんだ。


このまま死んでたまるかって思ってさ。


絶対迎えに行くんだって思ってさ。



でも無理だったな。


ごめんな。


約束守れなくて。


せっかく治療に専念するために月から離れたのにこれじゃ意味ね〜や。


こんなことならもっと月の傍にいたかったな。



なあ、月。


お前今笑ってるか?


俺の大好きな笑顔で毎日過ごしてるか?



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