前略、肉食お嬢様②―カノジョな俺は婿養子―


「っ…、わ、分かりましたからっ…、もっ、触って欲しいっす。こ、これでいいっすか?」

「素直になったな。じゃあ、お望みどおり」

「うっわっ…、なんっすかそれっ! 結局一緒じゃないっすかっ…、ひどいぃいい!」


「こら豊福。あまり暴れるようだと帯で縛るぞ。
それともそれがお望みで暴れているのかい? うーん、僕は紳士だから拘束プレイは望まないのだが、豊福が望んでいるなら」


「俺がいつ望みましたか! …って、マジで縛るつもっ、ヤですって! ヅッ、あっ…」

「そんなに悶えて。可愛いな」


「酷いっす。意地悪いっす。婚約者なんですし、優しくして下さいよっ」

「可愛い子ほど苛めたくなると言うだろ? 豊福」


茶室でギャアギャア騒いでいる障子の向こうで、さと子ちゃんが頬を赤らめていたことを俺達は知らない。


(な、なんて過激なんだろう。覗いてみようかな。
縛るって何をどうして…、玲お嬢様が相手様を縛っているのかな? き、気になる! いやでもそれはプライバシーの侵害っ、で、でもなぁ)


あたふたとさと子ちゃんが激しい妄想をしていたことを、やっぱり茶室で暴れている俺達は知らないのであった。まる。


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