童顔教師が居候。
番外編[しっと。]Ryosukeside
ああ…やっちまったな俺。
腕の中で静かに寝息をたてる雀を見て、大きな罪悪感がこみ上げてくる。
仮にも教師が生徒を強引に押し倒す奴があるか。…今凄い幸せだけど。
でも、もし。
雀が拒んだら、俺はどうしていただろうか。
…諦めた?
…手放した?
いや、諦められるわけない。俺が自ら、手放すわけもないんだ。
この12年間、雀のことだけを想って生き続けてきた。
辛い時も、苦しい時も、コイツの笑顔を想い浮かべて耐えてきたんだ。
そんなに簡単に諦められる恋じゃない。
むしろ俺は、こんなにもお前を…
ふと、さっきの雀の言葉を思い出す。
「…私のために…ありがとう。今日だけ特別だよ?」
馬鹿野郎…可愛いく呟きやがって。起きてたっつーの。
なにが「ありがとう」だよ。
俺はお前に感謝されるような人間じゃない。
早く帰ってきたのも、本当はお前の為なんかじゃないんだ。全部俺の為。
俺がお前に早く会いたかっただけ。それだけ。
…最低だな。結局自分のことばっか。