空人1〜奇跡〜
第1章
1.始まりは放課後
キーンコーンカーンコーン。
授業終了のチャイムが鳴るのと同時に、クラス内が一気に煩くなる。
ふわぁ……。
他の奴らが担任の来る前に帰る準備をしようとする中、俺は思いっ切り机の上に突っ伏した。
ああ、やっと授業終わってくれたか。あまりにも退屈すぎ。
睡魔と格闘して、無駄な体力を消耗させられただけだし。
管野秋人(カンノアキト)、ここ山脇(ヤマワキ)高校に通う一年生は心の中で毒吐く。
基本やる気がなくて、授業中もよく寝てたりするから、怠け者のイメージが定着しているらしい。
当然、そんなの知らねぇけど。
そのままだらだら過ごしていると。
「これで今日のHRは終わり、掃除当番はしっかりとやるように。以上!!」
「起立」
ふと意識を取り戻したのは代表委員が号令を掛け終え、みんなが席を立つ時だった。
って、早いな。
もう、終わったのかよ――…。
何となく少しだけ椅子に座り直してみたけど、やっぱり姿勢は変えなかった。
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