げーむ
「...で?美崎はどこに隠れるつもりだったの?」


「え、いや何も考えてなかった」


「それなら、私が思いついた場所があるんだけど、そこ行ってみない?」


まぁ、このままここに滞在するのも危険だろうし。


綾瀬の意見にとりあえず私は賛同した。


「ここ!いいと思わない?」


「あーなるほど。確かに隠れるには最適かも」


「でしょ!?」


私達が来たのは屋上だった。


ここなら最悪、誰か来ても、煙突やら何やらで隠れることが出来る。


「それなら誰もこれないようにすればいいんでしょ?」


更に綾瀬はどこからか持ってきた1m弱の木片を扉につっかえた。


ほら完璧ッ!と誇らしげに胸をはる綾瀬に思わず微笑む。


その時。


忘れかけていたあの感覚。


「...ッ!!?」


脳裏に浮かんできたのは屋上で話をしている私と綾瀬だった。


今の状況と何ら変わりはない。


...扉のつっかえを除いては。


< 158 / 167 >

この作品をシェア

pagetop