V系メンズに恋してる
開店してから今日もそれなりにお客さんが来て商品を買っていく。


今は1組のカップルが雑貨を楽しそうに見ている

『このマグカップ可愛い〜!』

巻き髪の女の子が上目使いで彼氏を見ている。


『買ってあげようか?』


『ホント〜!ありがとぉ』

凄いオーバーリアクションだな…。彼氏もデレデレしちゃってさ。
見てられないよ〜。


彼氏がレジに来て商品を買っていき、二人は楽しそうに店を出て行った。


『あの女の子、買ってもらう気満々な上目使いでしたね…ブリブリで信じられない…』


『梓ちゃん実は羨ましいんじゃない?』


真紀さんはニヤッと不適な笑みを浮かべる。


『ま、まさか〜!全然羨ましくないですっ!ぶりっ子嫌いですもん』

私は必死で否定した。


『梓ちゃんは彼氏におねだりした事ないの〜?』


『私、彼氏いた事ないですから』


『え〜!意外ッ。梓ちゃん今まで付き合った経験ないんだ〜?可愛いのに勿体な〜い』


『可愛くなんてないです』

『またそうやって謙遜する〜。素直に受け止めなよ』

『謙遜じゃないんですよ。本当にそんな事ないって思ってるので…』


『梓ちゃんは可愛いよ。自信持って!』


私は頷いたけど、やっぱり自分が可愛いなんて思えないし、綺麗な真紀さんからそんな事言われても信じられないよ。
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