One Day~君を見つけたその後は~
だからきっと、今日のことだって、ヤマタロは絶対に教えてくれないだろう。

「聞かなきゃ分からないの?」

そんなことを冷めた目で言われるのは分かりきっている。



……ヤマタロのこと、ちゃんと信じてるんだよ?


信じているけど、でも。

きちんと言葉にして教えてくれないと、やっぱり不安になっちゃうんだよ。

今夜のように、離れているときは尚更。


……って言うか、悔しいんだ。


ヤマタロは、私が慎と一緒にいても、絶対にヤキモチなんて妬かない。

昨日の夜みたいに、面白おかしくネタにして私をからかうことはあっても、私のように、相手のことが気になって、どうしようもなくて、何も手に着かなくなるなんて。


そんなこと、絶対にありえないんだから。


ヤマタロみたいなクールな人を好きになっちゃったんだから仕方ないよね、って自分を納得させようとしても、やっぱりどこか寂しくて。


これから先、ヤマタロが私のことで感情的になってくれることなんてあるのかな……?



そのときだった。

ガタン!

エレベーターが一度大きく揺れたあとで停止した。

どうやら無事一階に着いたみたいだ。


「はあーっ」


今度は、遠慮無く大きなため息。

なんだか私、さっきからため息ばかりついてるよね……。


私はエレベーターの扉の動きよりも鈍い足取りで、人気のない一階ロビーに降り立った。
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