One Day~君を見つけたその後は~
だけど、その言葉にもヤマタロは驚かなかった。
それどころか、小さくため息をつくと、
「やっぱりその件か」
ってプールの壁にもたれかかり、腕を組んで私のほうを見る。
それはいつものまんまのヤマタロだった。
「……他にないでしょ、私がヤマタロを呼び出す理由なんて」
「それは残念。……で、あいつは?」
「全然気付いてない。深月ってば、信じられないくらい鈍いんだから」
「……だろうな」
ヤマタロは深月の顔でも思い出したのか、クスリと笑みを零した。
「ねえ。この事、陽人は知らないんだよね?」
「当たり前だろ。陽人に教えたら、その日のうちに深月にばれるって」
「それもそうだよね……」
陽人がこのことを知ったら、顔を真っ赤にして大騒ぎしそうだ。
陽人と深月って、ホントに似た者同士。
隠し事のできない純粋な二人だもんね。
いやいや、純粋って言うか単純って言うか、ただのおバカって言うのかもしれないけど。
可哀想だけど、しばらくの間、陽人にはこのことを黙っていよう。
だって、やっぱり深月には、“オレ”の正体を自力で見つけ出して欲しいから……。
それどころか、小さくため息をつくと、
「やっぱりその件か」
ってプールの壁にもたれかかり、腕を組んで私のほうを見る。
それはいつものまんまのヤマタロだった。
「……他にないでしょ、私がヤマタロを呼び出す理由なんて」
「それは残念。……で、あいつは?」
「全然気付いてない。深月ってば、信じられないくらい鈍いんだから」
「……だろうな」
ヤマタロは深月の顔でも思い出したのか、クスリと笑みを零した。
「ねえ。この事、陽人は知らないんだよね?」
「当たり前だろ。陽人に教えたら、その日のうちに深月にばれるって」
「それもそうだよね……」
陽人がこのことを知ったら、顔を真っ赤にして大騒ぎしそうだ。
陽人と深月って、ホントに似た者同士。
隠し事のできない純粋な二人だもんね。
いやいや、純粋って言うか単純って言うか、ただのおバカって言うのかもしれないけど。
可哀想だけど、しばらくの間、陽人にはこのことを黙っていよう。
だって、やっぱり深月には、“オレ”の正体を自力で見つけ出して欲しいから……。