新撰組と一人の少女-sinzyu-(再)
「……ったぁ…!!」
料理を初めてから何度目だろう??
私は何度も包丁で手を斬ってしまう。
その度に、何度も声を上げてしまう。
「大丈夫??…もしかして真珠ちゃん…料理したことない…とか??」
佳代ちゃんが顔を覗き込んでくる。
私は小さく頷いた。
(料理ができないって…こんなに恥ずかしいことだったの??)
顔が赤く染まる。
皆は上手いのに…私だけ…。
「料理をしたことがない女は初めてだ。」
「……うぅ…」
斎藤さんの言葉がこころに突き刺さる。
今日の夕飯は白ご飯と漬物と味噌汁。
どれも知らない料理ばかり。
パンとかピザとかステーキとか…
洋食しか食べたことがないから。
「お前は下手くそだな…。自分の部屋に戻れ。」
「ええっ!??」
私は思わず手を止めた。
せっかく手伝いに来たのに…。
…でも、確かに私…皆に迷惑かけてるかも…。
でも…でも、やっぱり私…!!!!
「私、諦めません!!ここで諦めてたら、いつまで立っても上手くならないし、皆さんの役に立つために頑張ります!!!」
「…勝手にしろ。」
よーっし!!
絶対に上手くなって皆に見返してやるぞっ!!
…と張り切ったものの、
やっぱりその後も、何度も失敗した。
でも、諦めなかった。
…諦めたくなかった。
出来るようになるまで、頑張るんだって。
そう決めたから。