『恋愛』を辞書で引きました
紅葉のごとく林檎のごとく顔は真っ赤なまま。
やっと彼女は顔を見せてくれる。
「自分で気付いたわけではないんです。
ただ、高校に入ったくらいから、先輩が他の人と話してるの見ると無性に頭にきて」
「へーえ」
「それで、友人に『それは恋でしょう!』と言われました」
「なるほど」
頭にくる原因たる気持ちの名前はおそらく『焼きもち』というのだろう。
そしてその気持ちの先にあるのはただひとつ、『恋愛感情』。
彼女のタイプは独占欲が多少強いのだろう。
プライドも高く、素直じゃない彼女の性格を経て今に至るわけだ。
「なるほどー、にしてもお前が焼きもちやきなタイプとは…」
言い返す変わりに、タオルケットをかけられた。