Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
昴先生はいつもはビニール袋を持って来ているのに、今日は違った。


小さくも大きくも無い紙袋から綺麗に包まれたお弁当を取り出した。



「彼女の手作りですか?」

『うん、彼女は料理が得意じゃないから無理しなくていいって言ったんだけどね』



困ったように笑う昴先生だけど、どこか嬉しそうにも見えた。



「きっと何か役に立ちたいんですよ…好きな人の為に……」

『まりあちゃんも成瀬君の為にいつも一生懸命だもんね』

「今は違います。今は、音葉さんって言う素敵な人が京ちゃんの傍にはいますから」



いきなり昴先生の手が頬に触れ、私は驚いた。



『ごめん、辛い事を聞いてしまったね』

「…いえ、自分で決めたことですから」



どうやら私は泣いてしまったようだ。


最近昴先生の前では遠慮なく感情を出すようになってしまった。


昴先生がちゃんと受け止めてくれるから余計甘えてしまう。





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