Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
「ねぇ、昴先生…今日の夜、大津先生と家族をここに呼ぶことって出来るかな?」

『…どうして?』

「……大切な話をしたいんです」



私が何を話したいのか、ほぼ毎日ここに来てくれている昴先生にはもう予想はついているかもしれない。


言葉に困っているようだ。



「勿論昴先生も同席して下さい。私にとって昴先生も大切な人だから、話を聞いて欲しいんです」

『…分かった、皆さんに確認してみよう。もし無理そうだったら別の日でもいいかな?』

「勿論です、急なお願いですから。でも、出来るだけ早いほうがいいです」



もうこれ以上「分かった」とは言いたくないのか、昴先生は返事をする代わりに私の頭を優しく撫でた。


切なそうな表情を浮かべて。


音葉さんと話をしてから少しずつ考えていたこと。


最近になってその考えが私の中で濃厚になってきた。


お母さん、私の決断を怒ったりしないよね?


ちゃんと考えて出した決断なの…決して投げやりな気持ちで決めたわけじゃない…それだけは信じて………。





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