Ｍａｒｉａ ~私の心を貴方に捧ぐ~
『随分賑やかだね』

『すみません、煩くて』



後ろに立っている医者の胸元には研修医と書かれたバッジが付けられていた。


同じくそのバッジには"堀口　昴"と書かれていた。


俺の視線に気付いた織原院長は笑顔で紹介してくれた。



『彼は研修医の堀口先生だよ』

『初めまして、堀口です。成瀬さん、退院おめでとうございます』

「こんなにかっこよくて素敵な先生がいらしたんですね!もっと早くにお会いしたかったわ」



堀口先生に話しかけるお袋の顔は緩んでいた。


男の俺が見ても綺麗な顔をしていて色気のある人だと思った。



「院長先生、息子が本当にお世話になりました。これからも色々と宜しくお願い致します」

『成瀬君が頑張った結果ですから。これからも私に出来る限りのサポートをさせて頂きます。本当に退院おめでとうございます』



お袋が織原院長に頭を下げている姿を見て、俺と音葉も頭を下げた。





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