Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~

ブルーの手紙

バスの中から見える景色は草木や花ばかりで自然が広がっていた。


いつもビルやらマンションやら車に囲まれた生活をしているから、新鮮だった。



「あっ!海だ」



音葉が指差す方を見ると、少し遠くに海が見えた。


今日は天気が良くて海はキラキラ光っていた。



『お前まりあと仲良いの?』

「仲が良いとは少し違うかも。知人以上友達未満かな?」

『意味分かんねぇし』

「男の京には一生分かんないかもね」



音葉といい省吾といい、いつもよく分かんねことを言う。


今までの経験上、こういう時は今考えても分かんねぇってことは分かってる。


また忘れた時にふと思い出して一人で納得するんだろうな。



「次じゃない?」

『あぁ』



そういえば、音葉とこうしてちゃんと2人で出かけたのは初めてかもしれない。


隣で外を眺めている音葉を見ると、心なしか楽しそうに見えた。





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