Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
バスを降りると道路の脇に人が歩けるように道が出来ていた。


まりあからの手紙によれば、この道を進むとピンクの家のカフェがあるらしい。


そのすぐそこに丘があって花畑になってるみたいだ。



『今更だけどお前そんなヒール履いてて歩けんのかよ』

「大丈夫だよ。今日は歩くためにピンヒールじゃないやつにしたし、いつもより低いから」

『あっそ』



まぁこいつがきついだの休憩したいだの言っても、俺はお構いなしに先に進むけどな。


一応連れてきたわけだし、まりあも文句はねぇだろ。



「誰ともすれ違わないね」

『こんなとこ誰も来ねぇだろ』

「でもカフェがあるんでしょ?」

『まりあの事だから信用できねぇけどな』



普通のピンクの色した家があるだけで、勝手にカフェだと勘違いしてそうだ。


もしかしたらピンクでもないかもしれねぇし……。


まりあは意外と俺よりも適当なところがあるから、辿り着くまで気は抜けねぇな。





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