Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
急に笑いだす京ちゃんの顔を私は覗きこむように見た。



『また女に殴られてるとこ見られちまったな』

「今回は私のせいだよ…ごめんね」

『んな顔すんな。心配して追いかけて来てくれたんだろ?』

「そう…だけど……」



このままだと風邪もひいちゃうかもしれないのに、その上怪我までさせちゃうなんて……。


京ちゃんは人よりも心臓が弱いから、風邪くらいなんて甘い考えを持っちゃいけないってお父さんが言ってた。


京ちゃんにもしものことがあったら…私……。



『お前までずぶ濡れになっちまって…風邪ひいたらどうすんだよ』

「私なんかより京ちゃんの体の方が心配だよッッ!!」

『まりあ?』

「お願いだから…もっとッッ自分の体を大事にしてッッ……」



髪の毛についた雨と一緒に流れ落ちる私の涙を制服の袖で拭ってくれる。


寒くて鼻水が出てるのか、泣いてるから鼻水が出てるのか分かんない。


今分かるのは私の頭も顔も制服もぐしゃぐしゃだという事。





『あぁ、大事にする…約束するよ』






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