Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
*****



入院生活を始めて、今日は初めて外出許可を貰った。


優君やみんなに読んであげる絵本を買うために。




「京ちゃんっ!!」

『このくそ暑い中外で待ってたのか!?』

「うんっ」

『バカか!!体調悪くなったらどうすんだよ!?』



口は悪いけど、京ちゃんなりに心配してくれていると思うと、嬉しく感じる。


心配してくれるなら、怒られてもいっかな…なんて思っちゃう。



「私なら大丈夫だよ!心配してくれてありがとう」

『人のことばっかじゃなくて、お前も自分の体を大事にしろ』

「はぁいっ」



呆れ顔の京ちゃんが口を開こうとしたのを見て、私は手を取って歩き始めた。


あのまま突っ立てたら、また怒られそうなきがしたから。


せっかくの京ちゃんとのお出かけなのに、こんなところで時間が過ぎていくのも勿体無いしね。






< 79 / 253 >

この作品をシェア

pagetop