その笑顔は反則、
「あ、川崎くん!」
廊下を出てすぐ彼を見つけたなおは
名前を呼ぶ。
「彼女が大学生ってホント?!」
あまりに目を丸くして必死に聞いてくる
なおがおかしかったのか、フッと笑う。
「本当だよ。超ベタ惚れ。」
そう微笑む彼はやっぱりかっこよくて、
なおの頬が赤く染まるのもなんとなく分かる。
「彼女いるって分かってるんだけどさ。メアド教えてください」
両手を顔の前で合わせるなお。
「ごめん、電話帳に入ってる女、好きな女だけなんだ。つまり1人しか入ってない。てか、入れない」
「そっか!だよね。ありがとう」
「うん、じゃね」
彼は後ろを向き手を振りながら去っていった。