あたし的航海記
「なにごとっかにゃぁ~?」
やけに耳につく高い声。頭が痛い。
ゼーマンだ、と誰かが呟き、人の垣根が割れた。
そこにいたのは――猫耳の、腹の出た、脂ぎっている…おっさん。
あまりの珍妙さにあたしが目を見開いていると、ソレはあたしのほうへと片目だけ視線をよこし、もう片方が少しの差で追いつき。
目玉が飛び出しました(汗)
「に゛ゃ…に゛ゃ…」
口をパクパクとさせ、あたしを指差す猫擬き。まるで化け物でも見たかのような――
「セレスティアにゃー!ひっつかまえろ!」
…なによ、それぇぇぇぇえ!