吸血男子
 俺は闇の塊でできた剣を作って雑魚を倒す。



「邪魔」



 ちいさぇのは手で払い除けて。




 大きいのは剣で刺す。




 慣れない剣でも筋肉痛になりそうだ。





「もうすぐ終わるから」

「頼むから早く!! 俺グレちゃうからな」

「はいはい」





「はい、終わり―」



 一通り呪文を唱え終わったのか、パタンっと本を閉じて蝋燭の火を消した。




 下級悪魔ももういない。




「完全には消えてないな…てか、これ紋章じゃないのもある」




 親父がそう言った。




「は?」

「この辺りは全く紋章に関係のない痣だ。何、お前…美梨亜ちゃんにDVでも受けてんの?」


「まさか!! んなわけねぇじゃん。美梨亜はそんな奴じゃねぇし、俺のが上だから」

「まー、怖い旦那なこと」

「キモい」



< 235 / 378 >

この作品をシェア

pagetop