吸血男子
「やっぱ変…行くぞ」


 グッと引っ張られた手。



 洗っておいてよかった…。





 立ちあがらされて教室に行く。




「霧! 俺ら帰るから担任に言っといて」

「ん。」



 おにぎりをほおばりながら片手をあげて返事をする霧君。



「美梨亜体調悪いの? 顔色悪いわよ…早く帰って休ませてあげて?」

「あぁ」



 片手をつないだまま、学校を出る。



「歩けるか?」

「大丈夫だよ」



 ていうか、帰らなくてもよかったのに。




 家に着くと、鞄を下ろしてタオルを渡された。




「風呂入ってこい」

「え…なんで?」

「いいから」




 …もしかして気付いてる?



 そんなわけないよね?



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