吸血男子
「おばさん、メロンパンとカレーパンと…」

「はいよ」



 海斗君がお金を払ってくれてる間も耳を塞ぎたくなってしまう。



 服の匂いだって本当は海斗君に臭ってないか心配。




 ベタついてない?


 臭わない?



 濡れてない?



「…食欲ねぇの?」


 裏庭でメロンパンを受け取って食べるけど…進まない。



「ちょっとね」



 笑顔で答える。



「熱でもある?」


 海斗君の手が私のおでこに伸びてきた。




「いやっ!!」

「は…?」

「あ…ごめん」



 振り払ってしまった海斗君の手。



 振り払った私の手は洗ったけど…他の場所は汚れてるよ。



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